四国アイランドリーグplusの若者たちの誰もが憧れ、目指す場所。「NPBドラフト指名」2016年、最初に勝ち取ったのはこの右腕であった。
福永 春吾・22歳。185センチ89キロの恵まれた身体を利した右腕から放たれるストレートは最速152キロ。宝刀スライダーをはじめとする変化球の切れ味も鋭く、徳島インディゴソックス入団1年目となる昨年は106奪三振で最多奪三振賞を獲得。今年も81奪三振で2年連続の最多奪三振賞受賞、防御率2位の1.18。そして年間グラゼニ賞初受賞と、完全にリーグを代表する存在にまで成長した。
そんな彼の実像を追う「四国アイランドリーグplus公式HP」インタビュー。第2回では徳島インディゴソックス1年目の昨年における収穫と悔しさを振り返ります。
順調な前期、未体験の北米遠征で得たもの
――徳島インディゴソックスでの1年目となった昨年、前期・北米遠征・後期と分けて振り返ってみたいと思います。まずは前期から。
福永 春吾投手(以下、福永) 四国アイランドリーグplusの選手とは初の対戦でしたが、僕自身の状態もよく、投手優位で進めることができました。勝ち星も増えていきましたし、調子が悪くても負けないピッチングが続きました。よかったと思います。
――では、調子が悪くても「抑え込めている」実感はあったのですね?
福永 はい。調子が悪くても配球パターンを変えることで打たせて取れていました。
――その結果、北米遠征メンバー「四国アイランドリーグplus ALL STARS」にも選出されました。日本とは打者のパワーも、ボールも、マウンドの固さも異なる中で感じたことはありますか?
福永 打者であればパワーが全く違いました。四国アイランドリーグplusのリーグ戦と同じピッチングスタイルだと、詰まっていてもスタンドに運ばれる。
特にロックランド・ボールダーズの打線は左打者は低めのボール気味のスライダーを手を伸ばしてすくってライトスタンド。右打者はインコースのボールを詰まって浅いレフトフライと思ったものがレフトスタンド。力の違いを感じました。
――マウンドやボールの違いについては?
福永 明らかに違いました。ボールは日本より大きかったですし、マウンドも土ではなく粘土質。マウンドは特に気になりませんでしたが、ボールは縫い目の山がない。ボールが滑る感覚を修正できないまま1ヶ月が終わってしまいました。
――そういった苦心があったからこそ、得られたものもあったと思います。
福永 「打たせて取る」ことの大切さ、少ない球数でアウトを取ることを学びました。キャンナムリーグの打者はストレート、スライダー、シュート系統のボールは振り切ってしまいますが、カーブ・チェンジアップ系統のボールは振り遅れる。そうすれば何とか打ち取れました。
それと、いいプレーに対して反応してくれる球場の雰囲気もよかったです。