「野球を愉しくする」メンタルで打率3割とさらなる盗塁を

――この北米遠征が終われば後期、そしてドラフトと続いていきます。その到達点を目指すため、橋本 球史 選手が北米遠征を通じて盗んでいこうと思うことは?
橋本 長打力や肩は日本人が真似できない部分もあります。ただ、僕がこのキャンナムリーグの選手から一番学んでいるのは「野球を愉しくやっている」ことです。
ミスしても、打てなくても雰囲気が変わらない。実際のシーンであれば結果が出ないとどうしても気になる部分はありますが、その中でもメンタル面でポジティブであり続ける「愉しく」は貫いていきたいですね。

――そこを踏まえて改めて「橋本 球史」のアピールポイントは?
橋本 現在ならば盗塁がリーグ1位なので、そこは伸ばしつつ、打率は.300以上。内外野両方守れる守備は、まだ自分の中では満足していないところもあるので、出場機会と幅を広がるためにもやっていきたいです。

――特に盗塁数をさらに上げるために必要なことは?
橋本 まずは出塁率を上げること。中でも前期は三振が多い(27個)ので、空振りをボテボテの内野ゴロでもいいから、バットに当てられるようにして内野安打も増やしていきたい。そこを自分のスタイルにしていきます。

――では最後に到達点へ向けての力強い抱負をお願いします。
橋本 まずは今のけがを焦らず治しながら北米遠征で盗めるものは盗み、後期は前期以上の数字を残す。まずは3割目指してガンガン行きます!

 昨年まで四国アイランドリーグplusには「大木 貴将」という選手がいた。174センチ73キロと決して身体は大きくないが、内野も外野も守れ、足が速い。いわば橋本 球史と同タイプの選手である。
そんな彼は香川オリーブガイナーズでの4年の歳月を経て、24歳で千葉ロッテマリーンズ育成1位指名を受けた。その理由は明らか。すべての部分で学び、吸収し、体現し、首位打者(.327)と盗塁王(43盗塁)をリーグ史上はじめて同時に獲得する結果も残したからである。
確かな成功事例はある。あとはそれを辿りつつ、自分のエッセンスを対応力の中でみがいていければ……。夢は夢で終わることなく、現実とできるはずだ。