昨年は愛知・誉高から朝日大卒後、香川オリーブガイナーズ1年目でフルスイングを貫徹。左投左打で181センチ85キロというスケールの大きさからあげた打点は43(リーグ最多打点)。加えてベストナイン外野手部門を獲得し、読売巨人軍から育成ドラフト3位指名も受けた松澤 裕介。しかし、その後のメディカルチェックで左手手指関節靭帯損傷が発覚し入団を辞退。彼の2015年は「晴れのち雨」で終わった。
そこからの捲土重来。再びのNPB指名を目指して始まった2年目は前期を終え、118打数32安打。1本塁打7打点で打率.271。本来の実力をすれば全く満足いく成績ではない中、再び旅立った北米の地で松澤は何を考え後期へ、そして未来を切り拓く推進力を得ようとしているのだろうか?その本音を探った。
「チーム一丸」がカブキJAPAN好成績の要因
――北米遠征も10試合(現地時間6月19日現在)が終わり、2回目の出場となる松澤選手は46打数9安打2打点です。昨年の経験を踏まえ、まず今年北米遠征でやろうとしていることは?
松澤 裕介 外野手(以下、松澤) まずは「四国アイランドリーグplus ALL STARS」としてですね。昨年は6勝10敗と悔しい思いもしたし、チームとして1つになりきれなかった感じもあったのですが、今年は四ツ谷 良輔(愛媛マンダリンパイレーツ)や小林 義弘(徳島インディゴソックス)が「1つになろう」という意識で引っ張ってくれている。
僕もそこに乗っかって、「KABUKI SPIRITS!」で一丸になって戦う姿勢を出していこうとしています。僕の中ではここまでよくできていると思いますね。
――その「よくできている」原因は他にもありますか?
松澤 中島 輝士監督からも「いつも違う選手とキャッチボールをしろよ」とコミュニケーションを取る話を頂いていますし、首脳陣の皆さんやスタッフも皆さんも僕らがプレーしやすい環境を作ってくださっています。
また、今年は年齢が近く若い選手が多いので、いい雰囲気でやれていると思いますね。
――その部分で「ホームステイ」も影響はありますか?
松澤 すごくよかったです。僕は秋山 陸(投手・高知ファイティングドッグス)と一緒にホームステイしたのですが、夜にホストファミリーの皆さんも交えて野球の取り組み方もお互い話をしましたし、愉しい時間でした。
――松澤 裕介選手は昨年に引き続きですが、日本と北米とのプレースタイルの違いを感じることはありますか?
松澤 今年来て感じたことがあります。僕らはバントとか、ヒットエンドランとか組織的な野球。キャンナムリーグは個人の力で勝ってくる野球。基本はそうなんですが、今年のキャンナムリーグの中では彼らはバントやけん制も入れてくる。外野のポジショニングも昨年とは違い、打者ごとに変えてくる。細かい野球をするんですよ。強打が持ち味のロックランド・ボールダーズの打撃練習でも今年はバントから始まっていました。
そう考えると、僕らもいい野球ができてキャンナムリーグにいい刺激を与えている。キャンナムリーグも僕らを見て変わってきている。お互いが吸収するいい流れができていると思いますね。