現在北米に赴き、キャンナムリーグでここまで8試合を戦った(現地時間6月17日現在)「四国アイランドリーグplus ALL STARS」。その8試合中、5試合で先発。残る3試合も途中出場で扇の要を守っているのが垂井 佑樹(徳島インディゴソックス・捕手)だ。
兵庫県立星陵高校から大阪教育大を卒業し、1年間・兵庫ブルーサンダース(BASEBALL FIRST LEAGUE)でプレー後、今季から徳島インディゴソックスへ加入。170センチ80キロの体格よりはるかに大きく見える存在感は、正確な送球の肩、慎重かつ時には大胆なリードあってこその賜物である。
では、そんな彼が存在感を醸し出すベースとしているものとは?本人に聴くと多彩なツールと「考え方」が浮かび上がってきた。
捕手周りの意外な「日本との差」、そして自らを支える「ノート」
――北米遠征も8試合(現地時間6月17日現在)を終え、3勝5敗。ここまでのすべての試合でマスクを被る垂井選手にとって、事前に立てた目標と途中経過との差はありますか?
垂井 佑樹 捕手(以下、垂井) 昨年(6勝10敗)以上の勝利数を自分のリードでつかみ取って勝つことを一番の目標においています。
ただ、キャンナムリーグの打者は日本人と違って「1球」で試合をひっくり返せる。具体的に言えば「ホームランの精度」が僕らと大きく違います。僕らが積み重ねないと取れない点を1人で返せる。1つのミスでやられてしまうことは感じています。
――もう1つ突っ込んで「捕手回り」の部分での違いは感じますか?
垂井 もちろんボールは日本と違って滑りやすい。日本なら単純なストレートでも手元で動くので、最初はキャッチングが難しかったです。
あとは地面が固いので、打者が掘った穴は残ったままになるんです。となるとイレギュラーバウンドが必然的に多くなるし、いつも以上にワンバウンドに対して早く反応しないと後逸を防ぐのに間に合わせないんですよ。
――そこに対応しながら盗塁を刺す場面も数多くあります。ここのこだわりは?
垂井 盗塁を刺すことについては自分の中で高いハードルを設定しています。ここはある程度できている。盗塁阻止率も9回のうち4回は刺せているので、いい方向には向いていると思います。
――2つの盗塁を刺した開幕戦のサセックスカウンティー・マイナーズ戦で、試合後にノートを開いて記入する姿を見ました。あの「垂井ノート」は四国アイランドリーグplusでもしているのですか?
垂井 はい。リーグ戦はチームごとに3冊ノートを作って、それぞれの打者の特徴などを記しています。ノート自体は兵庫県立星陵高校時代から続けていることです。今回は「北米遠征ノート」を作っています。
――グラウンド外での経験はどうでした?ホームステイなどもありましたが。
垂井 アメリカは幼少期にハワイへ行って以来。大陸ははじめてです。食べ物は最初味付けが合わない部分がありましたけど、今は大丈夫ですね。
あと、ホームステイ先の皆さんはとてもよくして頂きました。今でもメールとかで連絡を頂きます。後期には「徳島へ応援に行く」ともおっしゃってもらっているので、その機会が訪れれば盗塁を刺し、「ここぞの一発」を見せたいです。