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 現在北米に赴き、キャンナムリーグで奮闘中の「四国アイランドリーグplus ALL STARS」。その序盤戦で17打数7安打3打点2盗塁。「恐怖の6番・7番」として敵を震撼させた170センチ73キロの左投左打がいる。
古川 敬也(愛媛マンダリンパイレーツ・外野手)。生光学園高(徳島)、立命館大と常に日の当たる場所を歩きながら、大学卒業後は一般企業に就職。しかし今季、一念発起して愛媛マンダリンパイレーツに入団すると前期は31試合中29試合に出場し106打数23安打1本塁打。さらにいずれもチーム2位の16打点7盗塁でチームの優勝に貢献。1年間のブランクを感じさせない躍動を続けている。
では、そんな彼の野球観とは?一度は離れた戦いの世界に戻ってきたからこそ、全身からあふれる「探究心」を感じてもらいたい。

敵から味方に変わった選手たちから得る「学び」

――北米遠征も2週間近くが過ぎました。まずは古川選手、ここまでの中で事前に立てた目標と、現在地との間に感じることはありますか?
古川 敬也外野手(以下、古川敬) 僕の目標はまず、北米遠征までは敵だったチームの選手から勉強すること。その中で選抜して頂いた以上、誰よりも打てることを考えていました。他チームから来た選手たちから学ぶことはいっぱいありますね。

――具体的には誰から学んでいますか?
古川敬 松澤 裕介(香川オリーブガイナーズ)や小林 義弘(徳島インディゴソックス)とかですね。練習を見ていると試合だけでは解らない学びがいろいろあるんです。
たとえば、バッティング練習1つ取っても、打ち方とかをよく見ることができる。対外的な部分はもちろん、対内的にも新鮮です。

――「対外的」な部分、選手やグラウンドの違いはどうですか?
古川敬 選手のところで言えば、身体自体はそもそも僕らとは違うものと思っています。パワー、スピードはどうしても敵わないので、日本人選手としてはそれ以外の部分で戦えるようにしなければいけないことを、この遠征中に感じるようになりました。
それでも抱いていたイメージ自体は遠征前とはさほど変わらないです。僕らは長打がなかなか出ないし、1点2点をいろいろなことをして取りに行くのに対して、キャンナムリーグの打者は一発で簡単に取る。
第6戦のニュージャージー・ジャッカルズのサヨナラホームランも、右翼手の僕が振り向くこともなくベンチに帰れるホームランでした。

――とはいえ、開幕戦のサセックスカウンティー・マイナーズ戦では3打数3安打2打点1盗塁。古川 敬也選手が考えていることも出せています。
古川敬 せっかく得た機会なので、自分の出せる部分は出したいと思ってプレーしました。
特に心がけているのは盗塁です。バッティングは調子次第で変わる部分はある反面、盗塁は積極的にしないと実際にセーフになるかがわからない。そこで成功できたことで自信がつかめた部分もあります。

――盗塁を仕掛けた中でキャンナムリーグの投手たちのランナーへの意識はどう感じていますか?
古川敬 日本よりは盗塁はしやすかったです。今後の生きる道が見つかられそうな感じもあります。

――グラウンド外での出来事はどうでした?ホームステイなどもありましたが。
古川敬 最初はとっても不安でしたが、ホームステイ先が日本人の方でしたし、食事もまるで日本にいるかのように振る舞って頂きましたので、過ごしやすかったです。地下室などがあるのにはびっくりしましたけど。
スーパーマーケットにも一度行きましたが、場所というより店員さんの接客にビックリしました。日本ならば僕も働いていたので分かるんですが「お客様は神様」。でも、北米では「お客さん?だから何?」という感じで(笑)。マイペースさに文化の違いを感じました。